怠け猫日記

都内在住、浪費の激しいOLの倹約と資産形成の記録。時々読書感想などの雑記も含みます。

読書記録:女子大生、オナホを売る

衝撃的なタイトルがずっと気になっていて、最近読み終えた「女子大生、オナホを売る」を紹介します。

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本屋で買うには少し勇気がいりましたが、内容は評判通り、実話を通してマーケティングを学べる本で面白かったです。(恥ずかしい思いをして買って良かった〜!)

内容はいたって真面目で、市場をどうやって選んで、商品をどう設計して売るか、といったマーケティングに関する基礎を実話に基づいて紹介しています。マーケティングをやっている人は読んで損なし、だと思います。

特になぜこの業界をそもそも選んだの?というロジックが面白かったです。「クリエイティブ力という言語化しにくい市場」に、「明確なベネフィットを備えたコンセプト力の高い」商品で参入するということ、また「少し冒険できて」「欲が深い」業界を選ぶ、ということを著者は紹介していますが、この市場の選び方が、新参者ながら成功を収めることに成功した大きな要因だったのでは、と個人的には感じています。

前者で言うと例としてYOASOBIやスマホケースのiFaceを挙げてますが、なるほどなと思いました。なんとなく、といった感覚で選ぶことが多い市場で、明確にいいところが伝わるものって、気になるし手に取りやすいですよね。もちろんそのベネフィットが消費者にハマる、と言うことが一番重要ですが、そこがハマれば差別化にはつながりやすいですよね。

他の例だとユニクロもそうなのかなと思いました。なんとなく、ではないかもしれないですが、洋服はおしゃれ・かわいいなどの個人の好みによって選ばれるものが多かったのが、ヒートテックやエアリズムなどの誰もが欲しい機能性を備えた商品を出してヒット商品が絶えないのも、こういう市場の特性があるのかな〜なんて思いました。

後者の例だと生理欲求のほか、最近は他者からの承認欲求や自己肯定感などの欲求を満たす市場が挙げられていました。確かに本屋にいくと承認欲求系の本も多いし、自分は自分でいいんだ、と言うようなタイトルの本が目立つように思います。

美容とかもそうですよね。綺麗になりたいという気持ちは昔から特に女性によくある願望だと思いますが、おそらくSNSによってどんどんその思いは若年層にも広がっているし、どの年代でも強くなっている気がするし、男性にも広がっていますよね。化粧品やメイク用品だけでなく、美容医療などもどんどん活発になっているし、常にいろんな技術・話題が出てきて衰退する気がしないのは、こういう欲望に根付いた市場だからなのでしょうね。

 

マーケティングをやっている人、興味がある人にはお薦めです。タイトルはちょっと過激ですが、ビジネス書として読みやすく、一歩踏み出せばそのあとは抵抗なく読めると思います。

もうすこしで3連休もあるので、夏休みの読書にいかがでしょうか。